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がん治療における看護師の役割

クオリティ・オブ・ライフは様々な医療分野で活用される知識です。がん治療の臨床現場でも重視されている考え方で、症状が進行して末期の症状にある患者に、可能な限り身体的な苦痛を緩和できるケアを提供する事が目的の一つとされます。

看護師の役割としては、副作用の大きな化学療法などを用いている患者の吐き気や息苦しさなどを少しでも和らげる事が出来るように、痛みの緩和に特化した技術を用いて患者の苦痛緩和に努める事が必要です。また、癌が原因となる身体的な苦痛を取り除く為には、薬物療法が効果的なケースも見られ、痛みや呼吸困難などの症状を緩和する目的でモルヒネなどが用いられる事もあります。薬剤の種類によっては、患者側の倫理観や固定観念などが妨げとなり、服用を拒むケースも見られます。そのため、この臨床現場で働く看護師の役割は、患者だけではなく、家族にも薬物療法の意図と効果を説明する必要があり、場合によっては複数の選択肢を提示し、より希望条件に沿ったケア方法を提供する事が大切です。

看護師が癌患者のクオリティ・オブ・ライフを向上させるために有効な手段を提示し、それぞれの治療法を詳しく説明する事で、患者の痛みは治療により和らぎ、家族の方も安心して治療を任せる事ができるようになるのです。そのため、心身ともに大きな苦痛を伴うがん治療では、このクオリティ・オブ・ライフの意味を説明する看護師の役割が大変重要なものとされます。